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2020年1月16日木曜日

第14回研究会のお知らせ

第14回研究会


3月7日(土)に予定しておりました第14回研究会は、新型コロナウイルスの感染リスクを回避のため延期することにいたします。今後のスケジュールは未定ですが、状況が整い次第お知らせします。

山崎 真之(早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員)
「歓待される移住者――小笠原諸島の事例より」

日時:2020年3月7日(土)14:00~
会場 :東方学会ビル2F会議室(千代田区西神田2-4-1)
https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%80%92101-0065+%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E5%8D%83%E4%BB%A3%E7%94%B0%E5%8C%BA%E8%A5%BF%E7%A5%9E%E7%94%B0%EF%BC%92%E4%B8%81%E7%9B%AE%EF%BC%94%E2%88%92%EF%BC%91/@35.698832,139.754806,16z/data=!4m5!3m4!1s0x60188c1506e0953d:0x4085d41c74cd0716!8m2!3d35.6978773!4d139.7548588?hl=ja
会費:500円

「歓待される移住者――小笠原諸島の事例より」
 本発表の目的は、東京都小笠原村における移住者を対象に、彼らが小笠原諸島に移り住むプロセスを紐解き、商業的歓待と社会的歓待の関係性を明らかにすることである。発表者がとりあげる小笠原諸島父島・母島は、観光地として多くの観光客を集めている。他方、今日の小笠原諸島では、観光を楽しむ一時的な滞在者だけではなく、観光客という立場を超えて移住する者も後を絶たない。小笠原諸島では第二次世界大戦後のアメリカ統治下や1968年の日本返還、返還後の観光化、2011年世界自然遺産登録などの外的な要因に基づく変容のなかで、島民と非島民の関係も変わってきた。今日では、日本本土からの移住者である「新島民」が、観光や移住という文脈で非島民に対するホストをおもに担うようになっている。JRAI(Journal of the Royal Anthropological Institute)の特集で古典的な歓待論の再検討がおこなわれるなか、歓待と観光の密接な関係性に関する議論は十分に検討されていないことからも、歓待と観光の接点に着目する意義は十分にあると考えられる。また、歓待と観光、移住の関連性を検討する議論においては、商業的歓待と社会的歓待の両者を視野に入れる必要が提示されているものの、商業的歓待と社会的歓待の両者は交わらないものと位置付けられている。
 これらの研究に対して、発表者は、社会的歓待と商業的歓待の部分的な重なりという視点から議論を展開していく。本発表では観光地である小笠原の移住者が島民になるプロセスを検討していき、商業的歓待と社会的歓待がいかに絡み合いながら歓待が営まれているのかを明らかにしていく。

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※参加人数把握のため、michinokai.2017@gmail.com(@を半角にして)に以下の内容をご返信ください。
1.研究会:参加の有・無
2.懇親会(同会場を予定):参加の有・無

2019年10月24日木曜日

第13回研究会のお知らせ

第13回研究会

蔵持 不三也 (早稲田大学名誉教授)
「文化の歪像(承前)――愚者の祭りと民衆文化――」

日時:2019年12月14日(土)14:00~
会場 :東方学会ビル2F会議室(千代田区西神田2-4-1)
https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%80%92101-0065+%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E5%8D%83%E4%BB%A3%E7%94%B0%E5%8C%BA%E8%A5%BF%E7%A5%9E%E7%94%B0%EF%BC%92%E4%B8%81%E7%9B%AE%EF%BC%94%E2%88%92%EF%BC%91/@35.698832,139.754806,16z/data=!4m5!3m4!1s0x60188c1506e0953d:0x4085d41c74cd0716!8m2!3d35.6978773!4d139.7548588?hl=ja
会費:500円

「文化の歪像(承前)――愚者の祭りと民衆文化――」

人類の母にしてその創り手である自然が、
どこであれ痴愚の味付けがまったくせぬことがないようにと、
懸命にも前々からどれほど気を配ってくださったは、ご覧のとおりです。
(エラスムス『痴愚神礼讃』、沓掛良彦訳、中公文庫)

 本研究はおそらく12世紀頃から16世紀にかけてのフランスにおける文化の攪拌装置としての「愚者の祭り(Fête des fous)」を対象とする。すぐれて民衆的なこの祝祭は、毎年12月26日から28日に各地で営まれたこの法外な祝祭は、社会の秩序や権威、価値観、倫理、理性などからなるイマジネールを、反極要素、すなわち暴力や哄笑、仮装、揶揄、スカトロジー、悪戯、そして愚者の教皇や司教、大修道院長などが司式するパロディックかつ戯画的な祭儀などによって脱聖化して社会を攪拌し、その内なる痴愚性をドラスティックに演出・顕在化させることを最大の目的としていた。
 むろんそれは治安・教会権力からはつねに断罪されたが、カルナヴァルや愚行結社、ときにはシャリヴァリとも結びつきながら、古代からの祝祭原理や道化(fou)のイメージを増幅させ、風刺的なソ(sot)劇や笑劇に格好の場を提供した。さらにブリューゲルやボスなどの画才を刺激し、負性の精神によって構造化されたイマジネールを告発した、エラスムスの『痴愚神礼讃』(1511年)やゼバスチャン・ブラントの『愚者の船』(1494年)、さらにはラブレーの通称『パンタグリュエル』『ガルガンチュア物語』(1534-64年)など、一連の「ユマニスム文学」にも影響を与えた。本発表はそれを概観するための序章である

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※参加人数把握のため、michinokai.2017@gmail.com(@を半角にして)に以下の内容をご返信ください。
1.研究会:参加の有・無
2.懇親会(同会場を予定):参加の有・無

2019年7月22日月曜日

第12回研究会のお知らせ

第12回研究会

藤井 紘司(早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員)
「根づきことばで編む――公害と物語りの近代」

日時:2019年9月28日(土)14:00~
会場 :東方学会ビル2F会議室(千代田区西神田2-4-1)
https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%80%92101-0065+%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E5%8D%83%E4%BB%A3%E7%94%B0%E5%8C%BA%E8%A5%BF%E7%A5%9E%E7%94%B0%EF%BC%92%E4%B8%81%E7%9B%AE%EF%BC%94%E2%88%92%EF%BC%91/@35.698832,139.754806,16z/data=!4m5!3m4!1s0x60188c1506e0953d:0x4085d41c74cd0716!8m2!3d35.6978773!4d139.7548588?hl=ja
会費:500円

根づきことばで編む――公害と物語りの近代
 近代以降、水俣に移り住んだ天草ナガレの多くは、地付きに比べると、貧しさのなかにあったものの、えびすの小祠を祭りながら不知火海の豊かさを生かしてきた。えび飯やたこ飯、ぶえん寿司、魚醤のいわしの塩辛など、不知火の海は“のさり”〔方言:天からの授かりもの〕をもたらすものであった。
 しかしながら、新日本窒素肥料㈱の工場排水により、海の水銀汚染が深刻化し、魚介類はもとより、漁民や鳥類、哺乳動物に甚大な被害をもたらした。メチル水銀化合物(有機水銀)による中毒性中枢神経系疾患。水俣病である。
 本発表では、水俣病患者の漁民がなにゆえに有機水銀すら“のさり”と語るのか、物語り論をふまえ探求していく。

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※参加人数把握のため、michinokai.2017@gmail.com(@を半角にして)に以下の内容をご返信ください。
1.研究会:参加の有・無
2.懇親会(同会場を予定):参加の

2019年6月11日火曜日

第11回研究会のお知らせ

第11回研究会

橋本 彩(東京造形大学)
「ラオス競漕祭における伝統とスポーツの関係
     ~ヴィエンチャン競漕祭の歴史的変遷から~」

日時:2019年6月29日(土)13:00~
会場 :東方学会ビル2F会議室(千代田区西神田2-4-1)
https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%80%92101-0065+%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E5%8D%83%E4%BB%A3%E7%94%B0%E5%8C%BA%E8%A5%BF%E7%A5%9E%E7%94%B0%EF%BC%92%E4%B8%81%E7%9B%AE%EF%BC%94%E2%88%92%EF%BC%91/@35.698832,139.754806,16z/data=!4m5!3m4!1s0x60188c1506e0953d:0x4085d41c74cd0716!8m2!3d35.6978773!4d139.7548588?hl=ja
会費:500円

ラオス競漕祭における伝統とスポーツの関係~ヴィエンチャン競漕祭の歴史的変遷から~
 ラオスのメコン川流域では、毎年雨季明けを告げる出安居祭の翌日に競漕祭が行われている。水の神にかかわる、この民俗宗教的年中行事である競漕祭の研究は、主に19世紀後半から20世紀にかけて民俗学者や文化人類学者によって、祭礼の由来や機能的意味、神話・伝説との連続性、宗教性、象徴性などを明らかにする個別研究が行なわれてきた。しかしながら、21世紀に入ると当該地域では行事が継続されているにも関わらず、競漕祭は本来の儀礼的文脈を失ってスポーツ化したものとみなされ、文化人類学者の研究対象から外される傾向にあった。一方、スポーツ人類学研究の分野では伝統的スポーツとしての競漕祭に対する関心が高まり、「伝統」と「スポーツ」を対立軸に据えた歴史的変容を論じる研究がなされるようになっていった。しかしそこでは、当該地域の人々が「伝統」と「スポーツ」を自文化において主体的にどう規定していくのかについては論じられることなく、競漕祭をはじめ、伝統的スポーツ研究の多くは、西洋で成立した近代スポーツに照らし合わせて伝統的スポーツを解釈するコロニアルな二項対立的視点を脱せず、当該地域の人々の文化問題として論じる視点が欠けていた。
 博士論文では、ラオスの首都ヴィエンチャン競漕祭を事例に、その歴史(1893年~2008年)を文献と現地フィールドワークで得た調査結果を総合して再構成し、その歴史の延長上に生じた競漕祭をめぐる伝統論争(2000年の前後)について当該地域の人々の視点から分析し、「伝統」の取り扱いをラオスの近代化に伴う文化問題として論じている。


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※参加人数把握のため、michinokai.2017@gmail.com(@を半角にして)に以下の内容をご返信ください。
1.研究会:参加の有・無
2.懇親会(同会場を予定):参加の有・無

2019年4月2日火曜日

第10回研究会のお知らせ

第10回研究会

山越 英嗣(早稲田大学人間科学学術院助教)
「「オアハカ人」とは誰か?―ロサンゼルスの同郷者会OROの祝祭イベントを事例に」

日時:2019年4月27日(土)13:00~
会場 :東方学会新館ビル会議室(千代田区西神田2-4-1)
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※これまでの会場とは異なります。東方学会裏手にある建物が会場となります。ヤマト運輸が目印です。

「「オアハカ人」とは誰か?―ロサンゼルスの同郷者会OROの祝祭イベントを事例に」
 本発表は、米国・カリフォルニアに居住する、メキシコ・オアハカからの先住民移民同郷者会の文化イベントを事例に、米国における多文化主義復権の手がかりを探る。多くの同郷者会では、親族がオアハカ出身であることの証明書を求め、血統や外見で「真正なオアハカ先住民アイデンティティ」を維持してきた。こうした態度は、排他的・閉鎖的であると批判されてきた。しかし、ロサンゼルスの同郷者会ORO(オアハカ地域組織)が実施する2018年の祝祭には、韓国系、ベネズエラ系、アフリカ系も参加していたことが現地調査でわかった。私は他のマイノリティとの連携は、近年のオアハカ先住民移民の減少と、二世・三世の相対的増加が関係しており、オアハカ先住民コミュニティは血統主義から「真正なオアハカ文化」を尊重することを条件に「非オアハカ人」にも門戸を広げる構築主義的なものへ変化しているという仮説を立てている。本発表では、これまでの調査の成果とともに、今後の研究の展望を示す。

※会議室使用料として3千円を出席者(学生除く)で分担いたします。
※参加人数把握のため、michinokai.2017@gmail.com(@を半角にして)に以下の内容をご返信ください。
1.研究会:参加の有・無
2.懇親会(同会場を予定):参加の有・無

2019年3月26日火曜日

第9回研究会のお知らせ

第9回研究会

齋藤 篤(早稲田大学人間科学学術院助手)
 「カザフスタン共和国都市部におけるカザフ人の伝統文化に関する研究―人生儀礼を中心に―」

日時:2019年2月23日(土)13:00~
会場 :東方学会ビル2F会議室(千代田区西神田2-4-1)
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2018年12月3日月曜日

第8回研究会のお知らせ

第8回研究会

伊藤 純 (川村学園女子大学)
 「民族舞踊運動の展開と「民族」概念」

日時:2018年12月22日(土)13:00~
会場 :東方学会ビル2F会議室(千代田区西神田2-4-1)
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「民族舞踊運動の展開と「民族」概念」
 民俗芸能は多様な主体が参与するネットワーク的な実践である。また、芸能という特殊な技能が求められるという点で、そのネットワークは技能によって支えられている側面が少ない。通常は伝えられている地域内で技能が慣習的に教授されている。いっぽうで、これまで地域とは無縁だった人びとが担い手としてネットワークに参加する場合も多く、なかでも存続が危ぶまれている場合は、民俗芸能の担い手を積極的に開くべきという意見とセットで、新たな担い手として期待されている。では、伝承地での技能の養成が困難ななか、伝承地外で技能を養成し、また実際に新たな担い手として積極的に実践してきたのは、いったいどのような集団だろうか。
 この疑問に対して、「民族舞踊運動」が答えの一つとして挙げられる。民族舞踊運動は、芸能・演劇研究者や日本舞踊・バレエダンサーらが国の文化政策を刺激する形で展開した「上からの運動」と、労働者音楽の再生を目指した「下からの運動」に大別され、いずれも昭和40年代に本格的に活動を始めている。「民族」を掲げている点で共通しているが、その思想的背景や理想とする民族舞踊像は著しく異なっている。
 しかし、残念ながら日本の芸能研究において民族舞踊運動については等閑視されてきた。現在の伝承に大きくかかわっているにも関わらず、その歴史的展開や実態は未整理なままである。そこで本発表では、民俗舞踊運動の歴史的・思想的展開を整理しながら、現在の民俗芸能を考えるうえで重要な実践のひとつとして位置付けてみたい。また彼らの運動を通して、戦後日本が実態として求めた「民族」について考察する。
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※東方会館会議室使用料として4千円を出席者(学生除く)で分担いたします。
※参加人数把握のため、michinokai.2017@gmail.com(@を半角にして)に以下の内容をご返信ください。
1.研究会:参加の有・無
2.懇親会(同会場を予定):参加の有・無